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2010年1月 8日 (金)

<サンデーらいぶらりぃ>小林 照幸・評『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行ルーマニアの古都を歩く』(毎日新聞)

◆周遊記ならぬ周郵記

◇『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行ルーマニアの古都を歩く』内藤陽介・著(彩流社/税込2940円)

 今から20年前の90年の新年。バブル経済下の日本でも、東欧民主化の各ニュースに興奮していたことが思い出される。

 89年11月のベルリンの壁崩壊は、同年に吹き荒れた東欧革命の象徴だが、12月下旬のルーマニア革命は「東欧民主化革命完成」というインパクトがあった。四半世紀にわたりルーマニア大統領として独裁を行い、人民の自由を奪ってきたチャウシェスクは逃亡劇の末に逮捕され、12月25日に大量虐殺と不正蓄財の罪により処刑。あの「白い妖精」のコマネチが革命直前にアメリカへの亡命に成功したのも話題となった。こう振り返るだけでも、ルーマニアはなじみのある国と言えよう。

 そうした人々の関心を踏まえ、ルーマニア西部のトランシルヴァニア地方、東北部のモルダヴィア地方における紀行記の本書は、「周遊記」ではなく「周郵記」である。旧所・名跡の紹介で同国の切手、はがき、切手付き封筒など古今の郵便物も存分に披露する。

 著者は67年生まれの郵便学者。郵便物を歴史的資料として重視し、国家や地域の来歴を多角面から考証する郵便学の提唱者として執筆活動も旺盛だ。

 著者が撮影した写真と、郵便物のデザインを見比べるのは楽しい。ルーマニアはドラキュラ物語の舞台地でもある。ドラキュラ、コマネチ、チャウシェスクゆかりの地、革命の聖地・ティミショアラの現在などが本書の読みどころ、見どころの軸を構成する。オールカラーの本書。切手はじめ郵便物が持つ装いの「美」が各頁に奥行きを持たせる。郵便物はしかるべき理由があって発行される歴史的資料、と納得させるのはやはり著者の筆力であろう。

<サンデー毎日 2010年1月17日号より>

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